冬の匂いの謎

皆様こんにちは。本日は「好きな季節」と称してお話しさせていただきます。私は年中ぼーっと生きているような人間なので、四季を楽しむという高尚な価値観をもっていません。そのため好きな季節というものを考えたことがありませんでした。今回のテーマを受けて改めて思い返してみると、私は「季節を匂いで感じている」のではという考えに至りました。好きな匂いがする季節を思い巡らしてみるとどうやら「冬の匂い」が最も印象に残っていました。しかし調べてみると「冬は基本的に無臭」であることがわかりました。では私の感じた冬の匂いとは一体何だったのでしょうか。
人の嗅覚は空気中の化学物質(匂い成分)を受容することで知覚します。匂い成分は湿度が高いほど空気中に滞留します。皆さんは「雨の匂い」を感じたことはあるでしょうか。この匂いは「ペトリコール」と呼ばれ土壌に存在する油分が雨によって拡散するために生じるそうです。ペトリコール以外にも地中の細菌が作る「ゲオスミン」や落雷で生じた「オゾン」なども雨の匂いの原因とされています。このように空気の匂いには「匂い成分」と「湿度」が関係しているのですが、冬の空気にはこのどちらも存在しません。調べていくと実は「冬の匂いは寒さの感覚」ということが分かってきました。
 人間の鼻は匂いだけでなく温度差による刺激を知覚しています。さらに鼻で感じた温度差は肌で感じた時よりも強く敏感に記憶できます。嗅覚は他の五感と違い、得た刺激が直接脳の記憶を司る部分に送られるからだそうです。つまり冬の匂いというのは「鼻で記憶した冬の寒さ」のことであると言えます。私は幼少の頃家族と妙高高原へスキーをしに出掛けるのが冬の恒例行事でした。あの白銀のスキー場での楽しかった思い出が冬の匂いとなって呼び起されていたのだと感じました。私の好きな季節は白銀の冬ということで話の〆とさせていただきます。皆様も空気の匂いで季節を感じてみてはいかがでしょうか。

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