こんにちは、ホソカワです。
いや~今日はいい天気ですね。雪が降っていますよ。
こういう日はあれですね。雪だるまを作りましょう。
せっせこせっせこ・・・
できました!うん、実に真っ白ですね!
かわいいかわいい!
いや~創作ってのは心が洗われますね、これで今日の昼食もおいしくなるってもん・・・う、何か意識が遠のいてきたぞ。何・・・だ、こ・・・
・・・
はっ!
いかん、僕としたことが寝てしまっていた。こんな寒い中寝てしまっていては死んでしまうじゃないかって・・・ん
僕はふと下を見つめる。するとそこには
見るも無残な姿に成り果てた、雪だるまの姿があった。
「な、」
「なんじゃこりゃあー!」
「なんだこれ!?どうなっていやがる!?僕の・・・僕の雪だるまを壊しやがって・・・」
僕という人間はまるで雪のような真っ白い心を持っていた。そのため、他人からどうでもいいと思うことも大きく捉えてしまう節があったのだ。
「こんなことをしたやつ・・・絶対に許さない!」
「それは君がやったのだよ」
上から声が降り注いだ。
仰ぎ見ると、そこには
僕がいた。
僕「な、何だお前は」
???「なんだって、お前はよく知っているだろう」
???「お前の中に住む悪魔だよ」
僕「僕の中に住む悪魔?」
何を言っているのだろうこいつは。
悪魔の僕「君はトランプタワーを知っているかい?」
しかし目の前のこいつはこちらの気も知らず話し始めた。
僕「トランプタワー?」
悪魔の僕「そう、トランプをピラミッドのように上に積んでいくゲームだよ」
僕「知っている。僕はそれが大好きだったからな」
トランプタワー。それは僕の青春すべてといってもいいほど大好きなものだった。トランプをやさしく扱い、一個一個上に積んでいくあの快感が僕は好きだった。
悪魔の僕「いや、違うね」
しかし彼は、僕の心を読んだように否定した。
僕「何がだ!」
悪魔の僕「君は、積んでいくのが好きだったのじゃない。積み上げたものを崩すのが快感だったんだろう?」
僕「な、何を言っているんだ」
悪魔の僕「僕は知っているよ。君が、夜な夜な自分の部屋からこっそり抜け出て、完成したトランプタワーを崩して高笑いしていたことを」
僕「・・・!」
僕「ちがう・・・僕は・・・トランプタワーを作るのが楽しくて・・・」
悪魔の僕「うそをつくな!」
僕「・・・ひぃ!」
悪魔の僕「今回の雪だるまも、本当は作ることが目的じゃなかったんだろう?壊すのが本命だったんだろう?それも無意識にな」
僕「ちっちがっ!」
悪魔の僕「じゃあ証明してもらおうか」
僕「何をする気だ?」
悪魔の僕「今から僕はこの雪だるまを殴る、果たしてそれが君に耐えられるかな?」
僕「な、なにを言って・・・」
悪魔の僕「君は、自分が壊すのはいいが、他人に壊されるのは嫌な人間だからな」
そういうと彼は腕を振りかぶる。
僕「な、何を・・・」
まさか雪だるまを殴って壊す気か?
僕「・・・やめろ」
僕「・・・白状する、僕は物を壊すのが大好きなんだ」
悪魔の僕「ようやく白状したね。人間素直になるってのがいいさ。それなら、雪だるまはここにおいていくね。その後は君のやりたいようにやるがいいさ」
そう言って僕の悪魔は消え去った。
・・・
「そうか、僕が壊したのか・・・」
にわかには信じられなかった。でも、僕ならば無意識物を壊すことは容易に想像できた。
「僕が犯人だったのか・・・」
僕は悲しげにそうつぶやくと雪だるまを見つめた。すると、何かの衝動が湧き上がってくるのを感じた。
僕はその衝動に身を任せて、腕を振りかぶり・・・。
そして・・・
END
※この物語はフィクションであり実在の人物をモデルにしております。決して本気にしないでください。