海より深い血液型の世界

 皆様こんにちは。今回のテーマは「相性がよい血液型」ですが、あらかじめ申し上げますと、血液型と人格の話は一切致しません。私は血液型による人格の分類は詭弁による偏見でありあってはならないと考えているからです。その理由は「そもそも血液型とは何か」という話の中で言及していきます。

 血液型とは赤血球を始めとした血液成分に含まれている「抗原」の種類によって決められた区分のことです。「抗原」とは免疫反応を引き起こさせる物質のことです。感染症やアレルギーなどはこの「抗原」が原因で発症する病気です。また血液には抗原とセットで「抗体」を生まれつき持っています。「抗体」は抗原を識別する物質で、抗原と結合すると抗原を排除するため免疫を機能させます。抗体は「1つにつき1種類しか認識できない」ため、人体には病気の数だけ(億単位で)抗体が存在しています。抗原と抗体はよく「鍵と鍵穴」と例えられます。抗原は赤血球の表面に、抗体は血漿にそれぞれ存在しています。

 血液型で最も有名なABO式血液型は「A抗原」「B抗原」の2種類の組み合わせによって決められています。A抗原も持つ人はA型、B抗原を持つ人はB型、どちらもない人はO型(最初はC型と呼ばれましたが、ドイツ語で「ない」という意味の「ohne」からOになったと言われています)、AとB両方が組み合わさった人はAB型になります。また初めに血液には抗体とセットと述べましたが、「持っている抗原と逆の型の抗体を持つ」と言う特徴があります。なのでA型の人はB抗原と反応する抗体(抗B抗体)を持っています。O型は抗A抗体と抗B抗体両方を持っています。また両親の血液型による遺伝を考慮すると同じAでもAAとAOに分けられて、ABO方式だけで9パターンになります。ABOのほかにもRh型も聞いたことがあるとかと存じます。Rhは+か-の2種が有名ですが主要なもので6種類18パターン、厳密には40種以上確認されています。

 主要な血液型だけですでに9×18で162種類あり更にこれまで発見されている赤血液の型は数百以上、更に白血球や血小板にも血液型があり、それらをすべて組み合わせると「数兆もの血液がある」ことになります。つまり、あなたの血液はもはや唯一無二なのです。なぜこれほど血液型が多いかというと、血液型は抗原であることから、新しい病気が発見されるたびに、その患者が持っていた新しい病気に反応する抗体を新しい血液型としたからです。つまり血液型を調べればどんな病気にかかり易いかが一目でわかるのです。ABOとRh型が有名なのは、輸血する際に重要であるからです。A型の人は抗B抗体を持っているためB抗原を持っている血液(B型AB型)を輸血してしまうと、「輸血した血を病原体と見なし破壊」してしまうのです。O型の場合「どちらの抗原も持っていない」のでA型、B型の抗体は反応しません。なのでO型の人は、血液型が一致していなくても輸血が可能なのです。ただし血漿を輸血する場合は適合の関係が逆転します。O型の人は「抗体」を両方持っているのでA型かB型のどちらかの抗原と反応して血液の破壊が起こってしまいます。型合わせしている暇もないほど緊急の時は血液の性質を考慮して「O型の赤血球とAB型の血漿、血小板を輸血に使う」という処置が取られるそうです。

 ここで「血液型とは持っている抗原のことだ」と、「抗原は感染症の原因でもある」ということを考えると、実は「細菌やウイルスにも抗原=血液型」を持っているということになります。ちなみに細菌は「血液」自体は持っておらず、ウイルスに至っては「生物ではない」のです。このことから最近では「血液型という表現は適当でない」とも言われています。

 長くなりましたが、「血液型の世界」の一端を垣間見れたでしょうか。疾患や病気との因果関係は明確ですが、人格への影響は確認されていません。人格面での相性を強いていうならば、今回の話を聞いて価値観を柔軟に改めてられる人がいいと感じます。

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