スピーチのここがヤダ

 小学生の頃、我が母校ではクラス全員の前でスピーチを行う習慣がありました。私はそのスピーチが耐え難いほど嫌いでした。

話題のテーマが決められず、いざ考えても話が伝わらなかったりしたり、馬鹿にされやしないかといつも悩みが尽きませんでした。(残念ながら先生は助け舟を出すこともせず、私は沈黙を貫いて結局一度もスピーチができなかったと記憶しています。)
読者の皆様におかれましても、スピーチで頭を悩ます方々が少なからずおられるのではと推測されます。

今回はスピーチはなぜ嫌がられるか、そもそもスピーチはなんでやるのかを考えていきましょう。

 

 そもそもなぜ噺家でもないのに人前で話しをしなければならないのか?

それは皆様が属している会社や組織によって多様な意図があると考えられます。
共通の目的としては「自身が何者かを伝える」ということではないでしょうか。
何に関心があるのかをはじめ、テーマの着眼点、それに対する主張、さらに話の組み方や考えの伝え方がスピーチによって知ることができます。

そしてこれらは発言者の人格や得手不得手を表しています。
「話が良くわからない」と言われれば話の組み方が良くなかったことが、「その発想はおかしい」などと言われたりすれば、その人とは価値観に相違があることがわかってくるのです。

スピーチが嫌がられる原因は「自身の話が好意的に伝わらなかった=自分が否定された」という考えなのではないでしょうか?
原因が見えたところで対策を考えてみましょう。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」なのです。

 

 テーマが思いつかない人は、先生か会社で仕切っている人に伺いを立ててみましょう。
「なんでもいい」などと言われても諦めるのは早いです。「本当に何でも喋りますよ?」と念を押してみましょう。「仕事をする上で大事なことがどうのこうの」などと条件を挙げてくるかもしれません。(←そらみろ!なんでもよくないじゃないか!!)
それでも変わらなければ、「この人はスピーチに関心ないんだ」とばっさり割り切ってしまいましょう。

スピーチでの話の進め方においては、まず最初にテーマの結論(言いたいこと)を述べましょう。
次にその結論に至った経緯を解説して、結論の根拠を固めます。
最後にもう一度結論を確認して話に「落ち」をつけます。

このように主張→解説→結論の順で話をすれば見掛けがきれいで簡潔にテーマが伝わるかと考えます。
もしあなたが「第一声を発することが困難だ」という場合はまず挨拶を先に言いましょう。挨拶には笑われる余地はまったくありません。

 

 今度は逆にスピーチを聞く立場に立って考えてみましょう。
あなたが今日のスピーチに対してどのような感想を抱いても構いません。
「それはおかしい」と感じたことを無理やり肯定的に解釈する必要はまったくありません。

ただし、言葉が拙いといって笑ったり、「お前の考えは間違っている」と断固否定したり馬鹿にすることは許されません。
先に述べたようにそれは発言者の人格を著しく踏みにじっていることに変わりないからです。
発言者の主張をありのままに受け止めることもスピーチを快く行うために不可欠なことと考えます。

 日本では表現、思想の自由が憲法によって保障されています。つまりあなたがスピーチのテーマに対しいかなる考えを持つこと、またあなたのスピーチを聞いた人がどのような印象を受けることは自由であり、侵害されるべきでないのですから。

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