楽して金儲け?

皆様は「楽して金儲け」と聞いてどのような印象を受けるでしょうか。「不真面目だ」「もっと働け」と考える方がほとんどだと思います。国語辞典では楽をするをサボタージュと同義としていますが、私はこの表現は「楽をする事を手段とするか目的とするかで意味が全く逆になる」と考えています。

 楽をすることが手段である場合と目的である場合とではどのような違いがあるでしょうか?手段とは「方法」のことであり、どうすればより効率的に仕事等を遂行するかという意味となります。これはつまり「仕組みの確立」といえます。一方目的とは「目当て」のことであり、仕事をする中で如何に効率を下げるかを考えるという意味になります。これが「怠惰」であり、一般的に知られている楽をするの意味であるといえます。もしも仕事において「楽をする手段を禁じた」場合どうなるでしょうか?私はものづくりの仕事をしていますが、もし楽をせずにものをつくれといわれた場合機械の使用を禁じられたことになります。大工場で機械を使わずに年間幾万幾億の製品を手作業で作るなんて、想像しただけで卒倒してしまいそうです。

楽をすることを手段として行うことで、ただ妄信的に取り組んで取り越し苦労するよりも効率的に仕事を行うことができると考えています。皆様も仕事に行き詰まったりひどく手間取る場合におきましては、楽をする方法はないか模索してみてはいかがでしょうか?ただし、この楽をする手段を考える上で最も注意することは、「手段の目的化」です。楽をする手段が目的に変わった瞬間、それは「怠惰」と化します。どうかお気をつけください。

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